令和元年度施設見学一泊研修報告 -長野刑務所-

    

   令和元年123日(火)と4日(水)の2日間、今年度の施設見学一泊研修でした。朝730分、参加者29人が練馬駅北口に集合し、いざ長野に向かいました。 

今回は、以前も希望しましたが見学できなかった長野刑務所での施設見学です。先日の台風での災害が大きく、実施できるか心配でしたが、刑務所も予定した宿泊場所も浸水は免れたそうで、無事実施となりました。 

車中研修は、恒例丸山さんのクイズ研修。今までの復習問題あり、新設問題あり、説明を聞きながら、「やったー!」「また間違った~!」などの声が上がり、面白かったです。

 

長野刑務所施設見学 

予定どおり13時過ぎに、長野刑務所に着きました。 

最初に、講義を聞く部屋に案内され、挨拶の後さっそく見学に行きました。広々とした所内で、塀は高いものの緩やかな雰囲気を感じるところでした。見学中も、電車の音が聞こえ、走行中の電車(長野鉄道長野線)も見えました。駅がすぐそばにあるそうです。

 

                長野刑務所全景 出所 http://www.moj.go.jp/KYOUSEI/KEIMUSAGYO/sagyo/sisetu_image_nagano.html >

  この施設の収容対象者は、20歳以上の男子で犯罪傾向の進んでいない日本人懲役受刑者です。平均刑期は8年、重罪を犯した受刑者が多いそうです。

  主な改善指導は、酒害教育、家族を中心とした対人関係、自己コントロール指導、就労支援セミナー、高齢受刑者のための生涯学習指導、パソコン指導、体育指導、社会復帰指導などがあります。

  また、次のように、長野刑務所では地域との関りを大事にされています。

 

<地域とともにあゆむ①>

   「世界一安全な日本を目指して 地域社会とともに開かれた矯正へ」 

このスローガンのもと、より一層の再犯防止に向けて、多くの方々に支えられながら、矯正処遇、社会復帰支援等を通じて、出所者の「居場所」と「出番」づくりに取り組んでいきます。

 

<地域とともにあゆむ②>

   「母と子」の像 

昭和44年須坂ライオンズクラブの主唱と近隣のクラブの賛同により、建立寄贈されたもの。母の日には、ライオンズクラブや更生保護女性会を招き、多くの受刑者がカーネーションを献花し、更生を誓っています。

 

<地域とともにあゆむ③> 

 「裾花の薫」の碑 

昭和24年裾花川が氾濫したときに、堤防決壊の堰き止めに当たったのが長野刑務所の受刑者でした。4昼夜もの作業に当たり、長野市民の安全を確保しました。また、その中で1件の逃走もなく、市民からは感謝の声や受刑者を支援したいとの声が多く寄せられたと伝えられています。この碑は、救援作業の実績を後世に伝え、また、受刑者の教化に資するため、県の慰労金と市民の浄財により建立された記念碑です。

 

  地域とともに、そして地域に根差した施設ということを感じた見学でした。

見学終了後、みんなで買い物をしました。ここは革製品が有名だそうで、靴やバッグなどの革製品を購入している人もいました。

  「裾花の碑」の側で集合写真をとり、見学だけの参加者とお別れして長野刑務所を後にしました。

 

  長野刑務所は、刑務所とはいえ上記のように緩やかな雰囲気を感じたのは、空間の問題だけでなく、それまでの地域とのかかわりがあるのだと感じました。再犯防止に地域とどうかかわれるかと問われていますが、いろいろ考えさせられました。

 (研修部 石井 眞弓)