<練馬区保護司會報第248号8頁掲載>

保護司再任の上限年齢の特例新設について

 

法務省は、平成2326日付保護局長通達「「保護司及び保護司選考会委員の委嘱及び会食等に関する事務の取扱いについて」の一部改正について」を発出しました。この一部改正通達においては、再任対象の保護司候補者の推薦時の年齢制限について特例を定めました。特例内容は後述のとおりですが、当該推薦に基づき再任された保護司が、以下で「特例再任保護司」と呼ばれるものです。また、同日付の法務省保護局総務課長・更生保護振興課長通知により、特例再任保護司の取扱いを示しました。本特例の施行は、令和341日です。以下、その簡単な説明です。

なお、本制度は、長く保護司を続けたいという意欲を尊重して現状の課題を解消するのが趣旨であり、保護司確保を目的とするものではありません。

1.制度の趣旨

長く保護司を続けたいという意欲があるにもかかわらず、生年月日と委嘱日との関係で、同年代の他の保護司よりも早く保護司を辞めざるを得ない場合があるという現状の課題を解消し、その意欲があれば等しく、現行の最高従事年齢である78歳になる前日まで、法令により定められたすべての保護司活動に従事できるようにする。

 

<甲保護司194391日生>甲の本来の退任日は2019101日(761月)。しかし、「意欲」を踏まえ特例再任されれば、2021101日(781月)まで従事。 

<乙保護司1943111日生>2019101日(7511月)に再任。これにより2021101日(7711月)が退任日となり、「意欲」がなければ、同日で退任。

 

2.概要

 再任の上限年齢は現状と同じで、76歳未満が原則であることに変わりはありません。

 制度の趣旨においては「その意欲があれば等しく」という部分が大事です。つまり本制度は、「保護司を続けたいという意欲を尊重する仕組み」であり、そのために「保護司として活躍できる期間(退任日)」を年齢でそろえています。

 76歳以降も保護司を続けたい場合は、「長く保護司を続けたいという意欲」(再任の意向)を確認し、特例再任されれば、現行の最高従事年齢である7711月(78歳になる前日)まで、従前どおり法令で認められるすべての保護司業務に従事できます。

上記のように「78歳に達した日」が重要です。これを境に職務に大きな差が生じ、78歳以降、保護司の身分は有しますが、保護観察所は、保護司活動に関する個別の依頼等を行いません。

具体的には、①事件担当や役職(企画調整保護司・駐在保護司・社会貢献活動担当保護司・被害者担当保護司)の指名はされなくなり、②78歳になる前にこれらの指名や依頼がなされている場合は、その指名は解除され、依頼は終了します。

 78歳を境に保護司の職務に大きな差が生じるので、保護観察所長は、特例再任保護司制度の趣旨、概要、78歳に達した以降の取扱いについて、特例再任候補者に対し十分説明することになっています。

 78歳以降、再任はされません。

 

以上(広報部)

★関係資料(令和3年1月総務省行政評価局「『更生保護ボランティア』に関する実態調査-保護司を中心として-」報告書からの抜粋)➡ 結果報告書_項目3(2)イ (soumu.go.jp)